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2006年4月 8日 (土)

量的緩和後とゼロ金利解除、今後の日銀

 日銀が金融の量的緩和政策を解除した。政界・経済界、国民などの目は、次の日銀の政策、つまりゼロ金利解除に向けられている。金融が正常化していた以前と現在の決定的な違いは個人投資家の増大である。今後の日銀の金利政策のあり方について、この観点から述べてみたい。
 当面の日銀の金融政策の焦点は短期金利(無担保コール翌日物)の引き上げである。この金利のゼロ水準を維持するかどうかである。どんな金利であろうが、ゼロということ自体がおかしいと思う。ゼロ金利が解除されてはじめて真の金融正常化となるのであるから、日銀にとって、ゼロ金利政策は屈辱以外の何者でもないであろう。早急に引き上げるべきである。
 日銀の金利、上記の短期金利や公定歩合が家計に与える影響は大きくは4つのレートを通る。1つ目は銀行預金の金利であり、2つ目は住宅ローンの金利であり、3つ目は株式価格を通ずる影響である。4つ目は経済状況を通しての影響である。1つ目と4つ目は影響も小さく即効性もないであろう。2つ目と3つ目の影響はかなり大きく即効性がある。それゆえに日銀の金利政策においては、住宅ローン金利と株式価格を強く意識したものとなるであろう。特に株価は金利に敏感に反応する。通常は金利引き上げ⇒株価下落⇒投資家の損失発生となる。しかも損失は現実である。個人投資家が増大している今日では、日銀の政策が引き起こすであろう株価の下落は多くの国民の反感を招くことになる。今後の日銀政策は、株価下落を引き起こすとしても、それを最小にとどめようとする努力が求められる。
 その結果として、日銀が操作できる金利の幅は極めて小さくならざるを得ないであろう。短期金利の誘導目標は0.001%あるいは0.01%キザミ、公定歩合は0.05%あるいは0.1%キザミ程度になるのではないであろうか。そして、「近いうちに利上げがあり、その幅は○%程度になるであろう」というようなメッセージを事前に市場や関係者との対話を通じて国民に発することも求められるであろう。
 米国FRBの前議長グリーンスパンは0.25%キザミでFF金利を引き上げ、かつ市場との対話も十分に行っていた。日銀も、これに倣う必要があろう。
 上記の国民へのメッセージとの関連でいえば、日銀は政策目標を表明する必要がある。もちろん「インフレ目標値」の表明である。この場合、どうしてこの水準に決めたかの説明もしなければならない。この目標の達成に対して、日銀は責任を負わねばならない。
 現在の日銀は、国民からみて、その業績を評価する基準を持っていないようにみえる。日銀が好き勝手なことをしても、国民は傍観するしかない。現在のゼロ金利による国民から銀行への所得移転に対して、日銀は国民の不満を無視している。
 今後の日銀は「インフレ目標値」を設定するに当たり、国民のVOICEを知ろうとする努力が必要である。個人投資家の増大している現状を認識すべきである。日銀は銀行界の代表ではないのである。

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コメント

コメントありがとうございます。
ライブドア株で直接損害を受けた人は、自己責任でしょうが、
その事件によって、2次的な損害を被って人もいるんですよね。
そう言った突発的な事件事故もリスクファクターの内。
全ての投資家が坂竜旅人さんの様に自己責任と
思っていれば、もう少し慎重に投資すると思いますね。

投稿: ともくん | 2006年4月15日 (土) 12時35分

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