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2006年10月28日 (土)

ネット株式投資

 最近、小幡績『ネット株の心理学』2006年6月を読んだ。こんな読後感の悪い書籍に出会ったのは初めてである。どうして、こんなに気分が悪くなったのか考えてみた。以下は、この書への批判も交えながら株式投資について述べてみたい。個人投資家としての私が過去に述べた株式のブログ(6/3/06, 1/28/06, 11/25/05)も参照してください。
 著者は独りよがりが過ぎるようである。そして、自分だけが正しいと思っているようである。株式投資もしているようであるが、本人がうぬぼれているほど儲けていないはずである。(儲けているならば、取引明細を掲載しているはずである。)
◎ 同書3頁『・・・評論家を含む有識者および証券投資の専門家の勧める株式投資の方法は、ほとんどの場合儲かりません。彼らの主張するほとんどの株式投資の常識はうそなのです。・・・』 この記述はマチガイである。一部は有用である。そして、何よりも「この常識」に従っている投資家が存在していることである。例えばチャートである。著者が重視する「将来の株式の購買者」の中にも、このような投資家が存在しているはずである。
◎ 同書43頁『チャートは意味のあるもので・・・。』 これは上記と矛盾する。
◎ 同書135頁『優秀なディトレーダーたちは、毎日確実に利益を積み重ねています。それはギャンブルとは程遠い、いわば知的肉体労働です。』 同書後半では、『株式投資はマーケティングである』とも述べられている。簡単に言うと、マーケティングの4Pの重視である。優秀なディトレーダーは4Pなんて考えていないはずである。彼らに求められているのは瞬発力である。また、毎日確実に利益を上げるためにはいわゆる「1円ヌキ」に徹するからである。同書には「1円ヌキ」の極意は述べられていない。
 この「1円ヌキ」については二階堂重人『サラリーマンが株で稼ぐ一番いい方法』の18頁と19頁を参照してください。ここでは、結果として「2円ヌキ」の方が多くなっている。また、私の観察例(今年の5月19日の当ブログ)も参照してください。
 具体的な批判はこれくらいにして、株式投資への私の見方も述べる
 株式投資には、さまざまな方法がある。著者のようなマーケティング法もありうる。大切なことは投資が「中長期投資」なのか「短期投資」なのか、あるいは「超短期投資、つまりディトレーディング」なのかである。著者は「中長期投資」に批判的なようであるが、これもマチガイである(ウォーレン・バフェット氏やピーター・リンチ氏の投資方針を参照)。
そして、このよう投資方針に応じて、適切な投資方法がありうる。ただし「適切」は疑問符つきである。
 私のみるところ、知性・合理性の必要性は長期→中期→短期→日々につれて低下するようである。短期で大儲けするための必要条件は「暗愚性」である。これについては、昨年の11月25日の当ブログをみてください。
 私はギャンブル株投資も行っているが、これまでは全敗である。私の場合は中・長期投資の方が成績がよい。つまり、私の投資方法や投資に対する考え方が短期投資やギャンブル投資に向いていないということであろう。

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2006年10月21日 (土)

耐久財と付加音

 二輪車のハーレーのエンジン音は独特で、心地よい響きがする。この例のように、耐久財では「音」が大事である。現在の耐久財(ここでは耐久消費財)では、音に対して十分な配慮がなされていない。
 現在の耐久財に対するメーカーの音に対する取り組みは「音を消す、つまり消音」、あるいは「音を小さくする、あるいは静音」だけである。これらはエアコンや電気洗濯機などで実行されている。
 ここでは、上記の消音や静音に加えて、機器に音を積極的に付加することを提案する。これによって、機器から排出される音を気にならなくすることができる。つまり消音と同じ効果やそれ以上の効果をもたらすことができるのである。前記のエアコンや電気洗濯機などに音を付加することを考えてみよう。
 睡眠時のエアコンから、「森の風のそよぎ」や「せせらぎの音」などが聞こえてくるのである。私の好みならば、「蒸気船の音・・・・ポンポンポン」である。そして、明け方にはエアコンから「小鳥のささやき」が聞こえてくるのである。そうすれば、エアコンの音が気にならなくなるはずである。
 洗濯機では、低音で奏でるクラッシック音楽がよいのではないだろうか。これらの音楽は複数備えられており、季節や時間、あるいは気候によって個人が選択できるようにしておく。もちろん、洗濯終了時には音がやや大きくなる。
 また、二輪車のように運転者が外気にさらされている場合でも音は重要であろう。ハーレーはエンジン音であるが、それ以外もありえる。二輪車ならば、エンジン音をできるだけ小さくし、和太鼓などの打楽器をメインにした音を付加するのである。そして、エンジン音より付加音の方が大きくなるようにしておく。もちろん、走行速度によって音を選べるようにしておく。例えば、交通量の少ない道路を巡航速度で走行している時、「お祭りマンボ」の音が聞こえてくるのである。これによって、二輪車の運転時の快適性は一層向上するであろう。
 上記の付加音は比較的小さな音に留まる場合が多いであろう。できるならば、音量は消費者が選べるようにしておく。
 付加音のためのコストはそれほど高くはないであろう。現在では、音声用LSIの価格はかなり低い。多分、消音や静音の方が高いコストとなるはずである。

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2006年10月15日 (日)

鯨飲馬歌(げいいんばか)

 スポーツクラブの仲間たちと、運動した後に飲み会に行くことが多々ある。運動している仲間たち、具体的には水泳であるが、彼らはよく飲み、よく食べる。私のみるところ、自分も含めて、水泳をしている人はよく飲む。これには、多分肺活量が影響していると思われる。この後は、たいていはカラオケに行く。カラオケでマイクを独占している仲間に対して、音痴の私はヤッカミ半分・カラカイ半分で「鯨飲馬歌(げいいんばか)」だと指摘したりもする。もちろん「鯨のようによく飲み、馬のように上手?に歌う」という意味です。これは気に入っている言葉です。
 以下では、このような4字熟語を考えてみた。
◎ 犬遊猫眠(けんゆうびょうみん:犬のように遊びまわり、猫のようにコタツで眠る)
  雪が降っている時の子供たちです。
◎ 狐狡狸嬌(ここうりきょう:狐のようにずるいが、狸のような愛嬌がある)
  いわゆる詐欺師の典型的なタイプです。
◎ 猿面梟智(えんめんきょうち:猿のような顔、つまり見てくれは悪いが、梟のように智慧がある)。
  豊臣秀吉のように。
◎ 豚食牛稼(とんしょくぎゅうか:豚のように粗食であるが、牛のようにモクモクとよく働く)
  これは私のこと。
◎ 虎酷狼心(ここくろうしん:虎のように残酷で、狼のように欲が深い)
  いわゆるギャング。
 どこかで年末になると4字熟語を募集しているが、何らかの制約を課した方が面白い熟語ができるはずである。上記の動物以外でも、例えば「桃○栗○」のように果物を、「鮭○鯖○」のように魚を用いるなどです。後者の魚は「すし屋の湯のみ」に最適である。
 また、次のような熟語も考えられる。「米○日○(アメリカは○○であるが、日本は○○である)」のように。これは「日本人のジョーク」に最適ではないだろうか。「食在広州」の応用で「○○新潟(○○は新潟県に限る)」などもある。

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2006年10月 7日 (土)

博士の愛した変な数式

 しばらく前に、遅ればせながらも小川洋子『博士の愛した数式』を読んだ。著者の小川氏が「数学を勉強したな」と思えるところが随所に見られ、それなりに面白かった。しかし、少し奇異に感じたところがあったので記述しておく。これは、数学研究者や数理科学の研究者には見過ごしてはいけないところだと思う。しかし、以下は文学としての評価とはいっさい関係がない。
 本文の中で「美しい数式」として表記されている次の式①がある。活字の関係で、本文の表記と少し異なる。下記のexp(x)はe(ネイピア数で2.71828…)のx乗を表し、pはギリシャ文字のパイ(円周率で3.14…)を表し、iは虚数単位でi×i=-1となる。
 ①   exp(pi) + 1 = 0
これは下記の②式と表記すべきものである。
 ②   exp(ip) = -1
 上記の2つの式を比べると、2つの点で異なる。これが大事な差異なのである。まず初めは虚数の書き方である。ある変数xと虚数単位iの積は、通常は「ix」と記述し、①式のように「xi」とは記述しない。ただし数字と虚数単位の積は「2i」や「5i」などと記述する。例えば、本文でも文章でのみ述べられているオイラーの公式は次のように記述する(岩波書店『岩波数学辞典』による)。
  ③      exp(iy) = cos y + i sin y
ある程度以上に数学を学習した者ならばこの点にすぐに気が付き、上記①式の「pi」という表記に違和感を持つであろう。
 もうひとつの点は、②式と表記しないで①式と表記したことである。これらはオイラーの公式③から導かれる値で、yが特殊の値をとる時に、③式の右辺は簡潔な値をとる。③式のyがp(パイ)の時に、右辺の各項は次のようになる。
     cos p = -1と sin p = 0
これより②式が導かれ、それを変形すると①式となる。
 上記の②式の左辺をみた時に、数学の素養のある者はオイラーの公式③を思い浮かべ、そこから直ちに②式の右辺の値が得られるのである。この思考回路、あるいは思考順序が数式に暗黙裡に含まれていることが大事なのである。この点をないがしろにする人たちは数学研究や数理研究で優れた業績を上げることは難しいであろう。
 以上のような理由から、「まっとうな数学者」ならば①式のような記述はしないはすである。例えば小川さんが参考文献にあげている吉田武氏(あるいは同姓同名かもしれません)には『オイラーの贈物―人類の至宝exp(ip) = -1を学ぶ―』海鳴社という著書もある。ここでは、書名に②式が用いられ、さらに本文でも②式が用いられ、それに対して次のように記述されている。「オイラーの公式は、われわれが、その知性により勝ち得たもっとも美しい数学的成果のひとつである(201頁)」、「これは、数学において最も重要な定数であるネイピア数と円周率、さらに、複素数の単位となる1とiが見事に調和結合した印象的な式である(204頁)」。
 新潮文庫の解説は数学者の藤原正彦氏が執筆している。この解説によると、小川氏は藤原氏を訪ね数学について多くの質問をしたとある。この席で、藤原氏は美しい数式として①式を示したのであろうか。私にはそうは思えない。藤原氏は②式を示したはずである。多分、小川氏の感覚からみて、②式よりも①式の方がより美しいと判断したのではないであろうか。

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