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2006年11月18日 (土)

海運株の低迷

 海運の株価が低迷している。株式の世界は合理的な予測や理性的な判断が役立たないケースが多いと理解しているが、それにしても海運の株価は不可解である。以下では、株式評論家になりかわって、6ヶ月先程度の海運株価を予想してみる。なおこの予想に先立って、私は中小の海運株式を購買しました。実際に株式を購買しているところが評論家と異なります。
 まず海運株価の現状から。価格は11月17日の終値、予想PERと予想利回りは18日の日経新聞からの引用、時価総額は終値で計算。
 ◎大手
  郵船・・・・・株価= 768円、PER=13.9、利回り=2.34%
  商船三井・・・株価= 964円、PER=10.4、利回り=1.87%
 ◎中小
  新和海・・・・株価= 400円、PER= 8.9、利回り=1.50%(時価総額=648億円)
  乾汽船・・・・株価= 435円、PER= 7.5、利回り=2.30%(時価総額=120億円)
  第一汽・・・・株価= 244円、PER=11.9、利回り=2.46%(時価総額=643億円)
 今後の業界予想。海上貨物の荷動きは今後も活発となるから、海運業界の売上(運賃収入)は2年程度先までは増加傾向を示すはずである。利益は原油コスト次第であるが、これから生ずるかもしれない原油高は運賃に反映できるはずである(ただし、長期契約は除く)。このように考えると、会社の経営面で不安は少ないはずである。
 最後に、新規造船との兼ね合い。新規造船のコストは、鉄鋼価格の上昇から、それに造船会社の稼働率向上からかなり上昇しているはずである。また造船会社の稼働率から、船舶完成までの期間が長期化しているはずである。
 これらの理由を考えると、海運株価はもっと上昇してよいはずである。大手はPERで15倍程度まで、中小は同18倍程度まで株価の上昇が期待できる。もちろんPERで考える時は借入金を無視できないが。(一般に借入金が大きい会社のPERは低目となる。これは、借入金で施設を作り、それが利益を生んでいると考えれば分かりやすい。) 中小のPERを大きく見ている理由は、TOBの可能性が高いからである。
 上記しているように、中小の時価総額は小さい。新規造船コストや造船期間などを考慮すれば、内外の大手の海運会社は中小海運会社の買収を選択肢に入れているはずである。外国の会社、特に中国の会社からみて、日本の中小の海運会社は魅力的であろう。
 最後に、今後半年間での中小の目標株価を記しておく。私は、これ以下では保有株式を処分しないつもりです。
   新和海・・・・目標株価= 800円
   乾汽船・・・・目標株価=1000円
   第一汽・・・・目標株価= 370円

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2006年11月12日 (日)

ローソンの経営戦略

 ローソンの経営戦略が分からない。もっとも経営戦略があると前提にしてだが。社長をはじめとして経営陣は、ダボハゼのように、なんにでも飛びついている。だから、ローソンがマスコミに登場する頻度は高い。以下では、コンビニエンス・ストアでもっとも大切な出店戦略に限定して述べてみたい。
 ローソンの店舗数は全国で8455店舗、うち「ナチュラルローソン(以下、ナチュラル店と呼ぶ)67店舗、生鮮コンビニの「ローソンストア100(以下、生鮮コンビニと呼ぶ)」が61店舗である。以上は今年の8月末の数字である。
 まずローソンの店舗網について。その特徴は、セブン・イレブンに比べると、全国に展開しているという点にある。この全国展開網を最大限に生かすことが大切である。例えばインターネットの通販の物品のやり取りの場として、あるいは、その代金の清算の場として活用することである。この面では、経営陣の戦略は不十分である。多分、経営陣は全国展開網の利点に気づいていないのであろう。この利点が生かされているのは「郵政公社との提携」だけである。これとて、現状では利益に結びついていないと思える。
 次に、標準型ローソン店舗以外について。コンビニの経営効率を考えれば、セブン・イレブンのように、比較的狭い地域に集中して大量に出店しなければならない。ナチュラル店や生鮮コンビニは、その数から考えても、幾つかの地域にパラパラと出店しているとしか考えられない。これらの店舗形態のビジネスモデルは既に完成しているはずである。どのような商品形態で、どのような店舗運営で、どのような物流施設でなどのような決定、つまりビジネスモデルが未だ完成していないとは考えられない。もし完成していないとしたら、あまりに時間をかけすぎているといえる。これらの新規店の立ち上げから既に2年から3年経過している。現在の店舗数から考えて、ナチュラル店や生鮮コンビニは利益を生んでいないはずである。これらの店舗数を早急に拡大しなければならない。
 それなのに、「シニアにやさしい店舗(高齢者向けの店舗)」や「駅ナカ店舗(東京急行電鉄と共同開発している店舗)」の開発に手を出している。これらの店舗は比較的狭い地域に集中的に大量に出店できないはずである。前者は過疎地が対象となり、後者の駅の中となるからである。現状では、前者は採算がとれるという見通しは立たないであろう。後者はこれからの努力次第である。それにしても、これらの店舗数の確保はどうするのであろうか。
 さらに、経営陣は標準型ローソン店舗とナチュラル店や生鮮コンビニなどとの融合した店舗の展開などといいだしている。この融合した店舗には、それなりの商品構成を支える物流施設が必要となる。
 ローソンの出店戦略をみていると、経営陣は「その店舗を支える物流、例えば生鮮コンビニ支える物流」の効率化という視点に欠けているようである。生鮮食品は季節によって入荷量や価格が大きく変動する。それらを常に100円(税込みなら105円)で販売するためには、それなりの物流・加工施設が必要なのである。それを効率的に運営するためには、それに見合った店舗数が必要となるのである。

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2006年11月 6日 (月)

核武装論、あるいは核保有論

 自民党の中川政調会長や麻生外務大臣の核保有論議をめぐって野党や評論家などからさまざまな意見が出ている。我が国では、どういうわけか「核武装論や核保有論(以下、核武装論と呼ぶ)」に対して口封じの風潮が強い。どのような対象であっても、自由に論議することは大切である。だから、私は中川氏や麻生氏を非難するのはマチガイだと思う。
 核武装論であっても、国民の誰もが自由に論議することは許されるべきである。この論議を通じて、核の持つさまざまな性質などが国民に広く理解されていくはずである。核武装論に対して口封じをしてきたせいか、ほとんどの国民は核に対する知識が欠乏している。はっきりいえば、国民は原爆の被害に対する状況の認識以外は核に対して何も知らない状況にある。
 政治学者、それもアメリカに留学した政治学者は核に対する正しい知識(アメリカ的な標準からみて「正しい」知識)を持っているようである。かつて米ソ核軍縮条約の締結時にテレビに出演していた政治学者は『地上核の撤去だけで、艦上核の問題がある』と発言していた。この発言を一般国民はどれだけ理解できたであろうか。
 軍事上、地上核の役割は極めて小さい。だから、米ソとも地上核は撤去しているのである。これらは発射施設が特定され、しかも軍事衛星で監視されているからである。だから原子力潜水艦に積んだ核(それも固体燃料ロケットに搭載されている核)こそが軍事上の有効兵器なのである。潜水艦でない艦船に積んだ核は地上核と大差がない。先の政治学者の発言『艦上核』は原潜上の核をさしているのである。このような見識を持つ政治学者が、現在の核論議になぜ沈黙しているのであろうか。
 少し前に、茨城県東海村でウランを素手で扱っていて被爆し、死亡するという痛ましい事故が発生した。これも核と密接なつながりを持つ放射線に対する知識の欠如から発生しているのである。
 核武装のためには、①核爆弾(原爆、あるいは水爆)、②ミサイル(ロケット、それも固体燃料のもの)、③原子力潜水艦の3つが揃わなければならない。我が国では、②は合格水準にある。本当に核武装するためには、①と③をどうするかの議論も必要となろう。国際政治において「核を持つ意義」がある。逆に、「核を持たない意義」を強調する人もいる。私は、後者の「核を持たない意義」を国際政治上で活用するためには、①と③の現状をもっと高めなければならないと思う。すなわち、核爆弾や原潜を何時でも国内で製造できる技術水準にあることが必要である(もちろん、2つを製造しなくともよい)。ついでにいうと、後述するように、「アメリカの核の傘」の下にいる我が国は「核を持たない意義」を強調できない。
 北朝鮮の核をめぐって、韓国の新聞が核武装に詳しいアメリカ軍人の発言として『北の核を脅威に感じなければならないのは、日本やアメリカではなくて、韓国である』と伝え、韓国民の自覚のなさを指摘していた。この指摘を日本国民はどの程度理解できたであろうか。
 現在の北朝鮮の核は「地上核」である。このような核はミサイル発射施設が特定されているのである。しかも、北朝鮮の長距離ロケットは液体燃料を使用している(発射直前にロケットに液体燃料を注入しなければならないが、それにはかなりの時間がかかる)。北朝鮮の固体ロケットの水準はまだ低いようである。このロケットの射程は最長で300Km程度ではないかと思う(ただし、これは正確ではありません)。だから、現在の北朝鮮の核に対する脅威が及ぶのは韓国に限られるのである。
 しかし、技術水準の低い北朝鮮が核爆弾・核ミサイルの操作に失敗する確率が高い。この失敗によるリスク、つまり放射能汚染のリスクの方こそ、我が国が考えておかなければならないことである。
 最後に、日米安保体制に言及しなければならない。「アメリカの核の傘」の下にいる我が国民は、北朝鮮に向かって『核武装をやるな』といえるのであろうか。我が国が他国に向かって『核武装をやるな』を叫びたいのであれば、我が国が核武装をしないことに加えて、「アメリカの核の傘」を放棄しなければならない。
 なんとなくカッコイイ『地上のすべての核の撤去を』というスローガンを国家として掲げる場合には、国民もそれなりの勇気と覚悟をしなければならない。すなわち、「アメリカの核の傘」を放棄し「狼の群れの中に、丸腰で突き進む」勇気と覚悟である。私自身はその勇気と覚悟はある。しかし、大半の国民は群狼におびえているのでないだろうか。

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