« ネット株式投資 | トップページ | ローソンの経営戦略 »

2006年11月 6日 (月)

核武装論、あるいは核保有論

 自民党の中川政調会長や麻生外務大臣の核保有論議をめぐって野党や評論家などからさまざまな意見が出ている。我が国では、どういうわけか「核武装論や核保有論(以下、核武装論と呼ぶ)」に対して口封じの風潮が強い。どのような対象であっても、自由に論議することは大切である。だから、私は中川氏や麻生氏を非難するのはマチガイだと思う。
 核武装論であっても、国民の誰もが自由に論議することは許されるべきである。この論議を通じて、核の持つさまざまな性質などが国民に広く理解されていくはずである。核武装論に対して口封じをしてきたせいか、ほとんどの国民は核に対する知識が欠乏している。はっきりいえば、国民は原爆の被害に対する状況の認識以外は核に対して何も知らない状況にある。
 政治学者、それもアメリカに留学した政治学者は核に対する正しい知識(アメリカ的な標準からみて「正しい」知識)を持っているようである。かつて米ソ核軍縮条約の締結時にテレビに出演していた政治学者は『地上核の撤去だけで、艦上核の問題がある』と発言していた。この発言を一般国民はどれだけ理解できたであろうか。
 軍事上、地上核の役割は極めて小さい。だから、米ソとも地上核は撤去しているのである。これらは発射施設が特定され、しかも軍事衛星で監視されているからである。だから原子力潜水艦に積んだ核(それも固体燃料ロケットに搭載されている核)こそが軍事上の有効兵器なのである。潜水艦でない艦船に積んだ核は地上核と大差がない。先の政治学者の発言『艦上核』は原潜上の核をさしているのである。このような見識を持つ政治学者が、現在の核論議になぜ沈黙しているのであろうか。
 少し前に、茨城県東海村でウランを素手で扱っていて被爆し、死亡するという痛ましい事故が発生した。これも核と密接なつながりを持つ放射線に対する知識の欠如から発生しているのである。
 核武装のためには、①核爆弾(原爆、あるいは水爆)、②ミサイル(ロケット、それも固体燃料のもの)、③原子力潜水艦の3つが揃わなければならない。我が国では、②は合格水準にある。本当に核武装するためには、①と③をどうするかの議論も必要となろう。国際政治において「核を持つ意義」がある。逆に、「核を持たない意義」を強調する人もいる。私は、後者の「核を持たない意義」を国際政治上で活用するためには、①と③の現状をもっと高めなければならないと思う。すなわち、核爆弾や原潜を何時でも国内で製造できる技術水準にあることが必要である(もちろん、2つを製造しなくともよい)。ついでにいうと、後述するように、「アメリカの核の傘」の下にいる我が国は「核を持たない意義」を強調できない。
 北朝鮮の核をめぐって、韓国の新聞が核武装に詳しいアメリカ軍人の発言として『北の核を脅威に感じなければならないのは、日本やアメリカではなくて、韓国である』と伝え、韓国民の自覚のなさを指摘していた。この指摘を日本国民はどの程度理解できたであろうか。
 現在の北朝鮮の核は「地上核」である。このような核はミサイル発射施設が特定されているのである。しかも、北朝鮮の長距離ロケットは液体燃料を使用している(発射直前にロケットに液体燃料を注入しなければならないが、それにはかなりの時間がかかる)。北朝鮮の固体ロケットの水準はまだ低いようである。このロケットの射程は最長で300Km程度ではないかと思う(ただし、これは正確ではありません)。だから、現在の北朝鮮の核に対する脅威が及ぶのは韓国に限られるのである。
 しかし、技術水準の低い北朝鮮が核爆弾・核ミサイルの操作に失敗する確率が高い。この失敗によるリスク、つまり放射能汚染のリスクの方こそ、我が国が考えておかなければならないことである。
 最後に、日米安保体制に言及しなければならない。「アメリカの核の傘」の下にいる我が国民は、北朝鮮に向かって『核武装をやるな』といえるのであろうか。我が国が他国に向かって『核武装をやるな』を叫びたいのであれば、我が国が核武装をしないことに加えて、「アメリカの核の傘」を放棄しなければならない。
 なんとなくカッコイイ『地上のすべての核の撤去を』というスローガンを国家として掲げる場合には、国民もそれなりの勇気と覚悟をしなければならない。すなわち、「アメリカの核の傘」を放棄し「狼の群れの中に、丸腰で突き進む」勇気と覚悟である。私自身はその勇気と覚悟はある。しかし、大半の国民は群狼におびえているのでないだろうか。

|

« ネット株式投資 | トップページ | ローソンの経営戦略 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110055/12578275

この記事へのトラックバック一覧です: 核武装論、あるいは核保有論:

« ネット株式投資 | トップページ | ローソンの経営戦略 »