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2006年12月30日 (土)

海運株は天井か、否

 11月18日の当ブログで「海運株の低迷」を取り上げてから、海運株は上昇しだした。そして12月10日の当ブログでは「海運株の反転」に言及した。今回はその続きです。
 今週の終値、あるいは今年の終値からみると、海運株は天井に達したとみる人たちがかなり多いようである。例えばヤフーの書き込みサイトからみると、29日までの1週間で利益確定売りをした人たちがかなりいるようである。私も、今週の上昇ぶりをみて、持ち株をすべて処分してしまった。少し浮かれていた利益確定である。売却後、冷静に考えると、まだ海運株は天井に達していないようである。以下に、その理由を述べる。
 まず海運株価の現状から。価格は11月29日の終値、予想PERと予想利回りは30日の日経新聞からの引用。
 ◎大手
  郵船・・・・・・・株価= 870円、PER=15.7、利回り=2.07%
  商船三井・・・株価=1174円、PER=12.6、利回り=1.53%
 ◎中小
  新和海・・・・株価= 473円、PER=10.5、利回り=1.27%
  乾汽船・・・・株価= 650円、PER=11.2、利回り=1.54%
  第一汽・・・・株価= 287円、PER=14.0、利回り=2.09%
 来年になると、株価は2007年3月決算予想値ではなく2008年決算予想値を織り込みながら推移する。これが第一の理由である。
 来年度の海運業界を考えると、プラス面が多い。例えば、取り扱い荷物の増加、取扱貨物の価格上昇(運賃上昇に結びつきやすい)、BRICsの台頭に伴う輸送距離増、オーストラリアの旱魃(オーストラリア産の小麦の輸出がなくなるので、小麦価格上昇と輸送距離増となる)、新規造船コスト増と造船期間の長期化などである。マイナス面として考えられるのは原油価格と為替だけである。このマイナス要因はヘッジ可能である。
 上記の2つの理由から、8年3月期の純利益は7年3月期の1.2倍程度と期待できる(海運の場合、変動費比率が小さいので、収入増以上に利益増となる)。単純にいうと、来期のPERは上記を1.2で割り算した値となる。
 この理由から、大手の海運株(上記に川崎汽も加える)は最低でも29日の終値に対して1.2倍程度の水準まで期待できる。中小の海運株は、上記の3社のみが上昇が期待できるようである(上記以外の中小海運株は天井のようである)。これらの3社は同1.5倍程度の上昇が期待できるようである。来年の私は、中小3社株式の「押し目」ねらいとなる。
 乾汽船の株価については特記しておくべきことがある。同社の浮動株数を『会社四季報』2007年1集から計算すると約520万株となる。12月最終週の売買高は355万株である。これらの数字の含意するところは私には分からない。想像はできますが、それは伏せておきます。

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2006年12月22日 (金)

団塊の退職2、コンビニエンス・ストアの増加

 団塊の退職者のすべてが年金生活者になるわけではない。かなりの人たちが就業し続けるであろう。以前の職場やその延長線上の職場などのケースが多いと思われる。今回と、次回のブログでは、新たな就業について触れてみたい。
 退職者はかなりの一時金を手にする。それを用いて新たに就業する場合、コンビニエンス・ストア(以下、コンビニと呼ぶ)のオーナーになるのは比較的容易であろう。チェーンの主宰者の側にも、新規出店を増やしたいという誘因がある。しかも、そのオーナーならば一国一城の主である。それらを総合的に判断すると、コンビニのオーナーになるケースも増えると思われる。つまりコンビニの増加となるのである。
 コンビニ経営の大変さは一般に知られていない。私もそんなに知っているわけではない。ある程度以上の利益を計上するためには、かなりハードな労働が必要である。それと、経営者としての細かい点への気配り・気働きである。これらができれば、それなりの成果は期待できるであろう。前者は、アルバイト・パートの活用で乗り切れる。しかし、後者の気配り・気働きは先天性のもので、後天的には身につけられないようである。もちろん、これは本人の労働時間や超過労働では補えない。
 コンビニは「コンビニエンス(便利さ)」が売り物なのである。この「コンビニエンス」を顧客に適宜・適切・快適に提供するためには気配り・気働きがもっとも必要なのである。それゆえにオーナーの気配り・気働きが不足すれば、そのコンビには衰退していくであろう。私の観察するところ、これが不足している店舗はかなり多いようである。
 それでも、この気配り・気働きの重要性を認識していない人たち(コンビニの主宰者やオーナー予備軍としての団塊世代)がいる限り、これからしばらくの期間で団塊退職者によるコンビニの新規出店は増加するはずである。これが今後のコンビニ新規出店の増加ペースを高めるであろう。(多分、来年以降のコンビニ株はオーバーウェイトであろう。)

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2006年12月16日 (土)

団塊の退職1、予見性の欠如と保険

 団塊世代の退職が来年から始まる。それで、これに関連する事柄のいくつかを述べてみたい。退職者にとって一番の打撃は予見性の欠如であろう。
 例えば退職後の10年間、あるいは20年間の生活にとって収入と支出の見通しが立たないのが現状である。つまり予見性が欠如しているのである。年金額は概ね分かる。しかし、これは物価スライドで増減する。どの程度増減するかは現時点では不明である。その上に今後の所得税や消費税などの見通しが立っていない。追い討ちをかけるように医療保険料と介護保険料の負担増もある。これらは確実に増加すると思われるが、その増分の見通しが立たないのが現状である。ある年に急に医療保険料と介護保険料で年額60万円の増加という事態が発生するかもしれない。現に、今年になってこのような負担増に落胆している年金生活者がかなり存在している。
 ほとんどの年金生活者にとって収入は年金だけである。将来の年金額は、物価スライドを無視すれば、ほぼ確定している。しかし、将来の支出や負担が不明である。この将来の支出・負担の内で政府が関与する部分は事前にできるだけ国民・年金生活者に明示する義務があると思う。つまり、所得税・住民税、消費税、医療保険料・介護保険料などが将来の各年度においてどれ位になるかを国民・年金生活者に明示する義務がある。これらの明示がなければ、多くの年金生活者の将来の生活の見通しが立たない。
 国内総消費に占める消費の割合は大きい。高齢化社会では、消費に占める年金生活者のウエイトは段々大きくなる。それゆえに年金生活者の消費の動向が国内経済に及ぼす影響は大きくなっていくはずである。上記のような将来の見通しの立たない状況では、年金生活者は過度に支出を制限する傾向が強い。それが国内経済を悪化させるかもしれない。この面からも、政府が将来の支出・負担を明示することが望ましい。私は、政府が毎年向こう5カ年間の支出・負担を明示すべきだと思う。
 上記の明示が当面期待できない現状では、それに対応する保険が必要である。例えば、毎年○○円の保険料を支払えば、将来の医療・介護保険料は今年の支払額を超えることはないという保険である。つまり、将来の医療・介護保険料の上昇部分は保険会社が負担することになる。所得税・住民税などの直接税でも同様の保険が考えられる。このような保険が存在すれば、年金生活者の将来の予見性の欠如はかなり改善されるはずである。保険会社は、保険金の支払いに難癖を付けるなどというケチなことを重視することはやめて、上記のような新しい保険の創設に向けて勉強してください。

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2006年12月10日 (日)

海運株の反転

 海運の株価が反転しだした。11月18日の当ブログで「海運株の低迷」を取り上げた。それから1ヶ月もしないうちに海運株が上昇しだした。
 海運株の12月8日の終値と、11月17日の終値に対する上昇率は次のようになる。カツコ内が上昇率(単位は%)である。銘柄は前回例示として記載したもののみ。
  郵船・・・・・・株価 =      827円( 7.7)
  商船三井・・・・株価 =     1069円(10.9)
  新和海・・・・・株価 =      431円( 7.8)
  乾汽船・・・・・株価 =      508円(16.8)
  第一汽・・・・・株価 =      268円( 9.8)
  日経平均・・・・株価 = 16417.82円( 2.0)
このように、上記の海運株はすべて日経平均を上回る大きな上昇率を示している。そして上記を含む幾つかの海運銘柄では、この期間で今年の最高値をつけている。
 前回のブログでは、海運株の上昇を予想していた。特に中小海運(上記の新和海、乾汽船、第一汽など)が大きく上昇すると予想・期待していた。この時の今後半年間の目標株価に比べると、上記の中小海運の株価はまだかなり低い水準にある。
 中小海運では、TOB(株式公開買い付け)やM&A(合併・買収)が起きる可能性が高いと思う。その点も考慮して、前回ブログでは目標株価を記していた。この株価の水準は、今でも妥当だと思える。幾つか、あるいはひとつの中小海運株価は、今後半年間で、現在値の2倍程度まで上昇するであろう。

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2006年12月 3日 (日)

ハクサイ、ダイコンの産地廃棄

 ハクサイとダイコンの産地廃棄処分(あるいは市場隔離)が行われている。この処分に対して、一般の消費者から「もったいない」、「福祉施設などに寄付したらどうか」、「何とか有効活用できないのか」などの声が上がっている。サンマも取れすぎたので、今期の漁獲は終了しているようである(比較的少ない費用で、まだ多くの漁獲が期待できるにも係わらずの終漁処置である)。これらの処分・処置は、市場経済を前提にする限り、やむをえないと思う。
 例えば産地廃棄しないで、ハクサイを近隣の福祉施設に寄贈したとしよう。そのための輸送コストなどは近隣の住民が負担したとする。この場合、この寄贈により福祉施設の消費分のハクサイ需要が減少する。この需要減がハクサイ価格の低下に拍車をかけることになる。それにより、価格低下の阻止手段が逆に働くことになる。このようにハクサイとダイコンは、例え福祉目的であっても、卸売価格の低下に結びつく処分・処置はとりえない。サンマの場合は、エネルギーや人件費などのコストを上回る水準の価格が期待できないから終漁するのである。これは市場経済の持つ欠点でもある。
 ただし、これまで需要のなかったところで利用することは考えられる。例えば家畜のエサとしてハクサイが利用されていないとする。それならば、養豚業者などが引き取りに出向けば、無料でハクサイを譲り受けることができるはずである。この方法ならば、これまで卸売市場に影響を及ぼしていないのであるから、ハクサイの卸売価格に影響しない。
 生鮮食品の卸売市場は、入荷量が少し大きくなると、卸売価格が急落するという欠陥がある。出荷業者に最低価格の指定ができるようにすることも考えるべき時代に来ていると思う。現在は、相対取引でこの欠陥を補っているのであるが。これらの改革には、制度そのものの見直しも絡むため、かなりの時間がかかるであろう。
 当面の対策として、私はハクサイやダイコンの産地の宣伝もかねて、これらの大食い大会を開催することを提案したい。テレビの大食い大会は見ていて面白いが、その反面で「もったいない」という気持ちが持ち上がる。産地廃棄されるハクサイやダイコン、あるいは取れすぎのサンマの大食い大会ならば、「もったいない」という気は起こらないであろう。もちろん、大会ではハクサイ、ダイコン、サンマを用いたさまざまな料理が提供されるのである。この結果として、これらの番組の視聴者のハクサイ、ダイコン、サンマの需要を喚起することにもつながるであろう。

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