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2007年2月 2日 (金)

手島・佐藤『インテリジェンス』を読む

 手島龍一・佐藤優著『インテリジェンス、武器なき戦争』を読んだ。手島氏は元NHKワシントン支局長で『ウルトラ・ダラー』の著者である。佐藤氏は、いわずと知れた外務省のラスプーチンであり、現在は起訴休職中の身である。2人の対談の本であるが、近頃めったにお目にかかれない出色の本であった。以下に、この感想などを記しておく。
 まず「インテリジェンス」という言葉から。私は、これを「諜報(ちょうほう)」だと思っていた。英和辞典にもそのように記載されている。概ね正しいが、佐藤氏は、戦前の陸軍参謀本部が使っていた「秘密戦」が適切だという。陸軍では、それを4つの分野に分けていたという。1つ目は積極的「諜報」、これがポジティブ・インテリジェンスに相当するという。2つ目はカウンター・インテリジェンスに相当する「防諜」。3番目が「宣伝」、4番目が「謀略」である。我が国の強いのはカウンター・インテリジェンスであるという。 外交においては、このインテリジェンスが重要であるという。ついでにいうと、インフォメーションは情報の素材に過ぎないという。このインフォメーションを加工・分析した後の知見がインテリジェンスといえるのかもしれない。
 佐藤氏の発言から幾つか。『一部主要国のインテリジェンス機関は・・・北朝鮮の体制転換を真剣に考えはじめている。』『私はロシアの仕事をしていたとき、日商岩井と三井物産を非常に重視していました。』この2つの商社の見方や戦略から得られる知見が多かったという。他の商社はたいしたことはないという。
 手島氏の発言からも幾つか。『日本がアメリカと安全保障同盟を結んでいる以上、アメリカが最重要の決断を下したときに、・・・それを支持せざるを得なかった・・・。(それゆえに)日本の政治指導者は、アメリカの意思決定になんとしても影響力を確保しなければなりません。』『(イラク戦争に際して)残念なことに、当時も今も日本政府は、そのアメリカ情報の真贋を独自に判断するインテリジェンスをまったく・・・持ち合わせていません。』『アメリカは・・・北朝鮮包囲の輪を少しずつ狭めて金正日体制に揺さぶりをかけ、内部から反乱を誘おうとしている』
 情報とは等価交換が基本であり、優れたインテリジェンスを持つ人のところにさまざまな情報が集まるという。これは、私が家電メーカーの営業を担当していた時にも実感したことである。こちらが相手からみて貴重と思われる情報を提供すると、相手からも私にとって貴重な情報を提供してもらったことが度々あった。情報とは減りも無くなりもしないので、何人かの人と情報交換するうちに自分に大量の重要な情報が集まるという経験もした。もちろん、最初に自分が幾つかの独自の情報を持っている必要がある。
 このような情報交換を通して、手島氏や佐藤氏には重要な情報、あるいはインテリジェンスが集まっているようである。それにしても、佐藤氏の知識量はスゴイ。手島氏が、「今後の対ロシア外交のためにも日本は佐藤ラスプーチンを必要とする」といっていることも首肯できる。

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