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2007年10月 1日 (月)

中国経済発展プロセス、仮説

 中国経済の発展プロセスを簡単なモデルを用いて考えてみたい。
 国内総生産(GDP)Gはi産業の1人当たりの付加価値Viと就業者数Liの積和で示される。つまり下記のとおりである。以下、集計記号Σはすべての産業でのそれである。
    G = ΣViLi
ここに、1人当たりの付加価値Viはイノベーション(広い意味の革新・技術進歩)Ti、資本Ki、就業者数Liの関数であると仮定する。つまり
    Vi = Fi(Ti,Ki,Li)
である。
 以上より、GDPの年々の増加・減少額dGは下記のように3つの部分に分割される。用いられる活字の関係で、通常の記述とは少し変更している。
    dG = ΣLiAidT +ΣLiBidKi + Σ(LiCi + Vi)dLi
      = [イノベーションによる部分] +  [資本増加による部分]
                      + [就業構造変動による部分] 
ここに、AiはViに対するTiの偏微分係数であり正値をとる。BiはViに対するKiの偏微分係数であり正値をとる(資本装備率が高まることによる)。CiはViに対するLiの偏微分係数であり、中国の場合は負値をとるであろう(例えば1人当たりの付加価値の高い産業への就業者増加により過当競争となり、結果としてViが低下する)。
 上記の就業構造の変動による部分では、これからしばらくの期間では就業者総数はほぼ一定であろうと仮定できる。そうすると、この部分は就業者が付加価値の高い産業に移動することによるGDPの変動を表す。上記のようにCiがマイナスだから、これによるGDPの増加は逓減していくであろう。
 私のみる中国経済の発展プロセスの過去と未来は次の通りである。
◎ 1990年代
 [就業構造変動による部分]が主であった。好調に推移した。
◎ 2000年代
 GDPの増加の主体が[就業構造変動による部分]から[資本増加による部分] に徐々に移行するであろう。比較的順調に推移するであろう。
◎ 2010年代
 GDPの増加の主体が[資本増加による部分]から[イノベーションによる部分] に徐々に移行するであろう。成長に疑問符がつけられるであろう。

 企業や組織におけるイノベーションはどちらかというとトップダウンというよりもボトムアップに依存する。それゆえに、「イノベーションによる経済成長」は指令型の社会主義経済におけるアキレス腱である。もちろん中国経済にとってもアキレス腱である。私のみるところ中国経済は2010年ごろから停滞へと向かい始める。
 上記の点については、過去のブログ『不破哲三氏とマルクス主義(06年1月21日)』も参照。また中国経済の今後を考えるために、そこで紹介した不破氏の「レーニンと市場経済?中国社会科学院での学術講演?」も参照。特に、この講演は中国経済の進路を考える上で優れている。今年の初め頃、中国社会科学院の何人かが訪日して不破氏と討論しているところからみると、この講演は中国の指導層にそれなりのインパクトを与えたようである。この文献は非共産党員にはなじみがないので、再述しておく。

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