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2013年5月26日 (日)

アホか、自動化電話世論調査

 東京都議会議員選挙や参議院選挙を控えて世論調査がにぎやかになってきた。今どきの世論調査は電話によるものが主流だが、それが自動化されている。この自動化は調査被対象者の感情や気持ちなどを考慮しない「とんでもない方法」である。だから得られる調査結果の信頼性は極めて低い。
 最近、私のところにも2つの自動化調査があった。1つは夕方8時ごろ発信されたもので留守電に入っていた。多分、この調査は受信電話が留守電やFAXに設定されていればそちらにそのままつながるからであろう。もう1つは土曜日にあった。こんな調査に協力する気は毛頭ないので、ガチヤンと怒りの気持ちを込めて電話を切った。
 この自動化電話調査は調査実施者の利点ばかり考えて実施されている。なんといっても、コストが安くなる。集計も、ダイヤルトーンの回答であれは即時に可能となろう。さらに、夕方や休日も何等の付加コストもかからずに可能である。しかし、こんな調査で有効な回答が得られるのだろうか。丁寧に設問内容を説明する、それも相手に応じた説明で。高齢化社会では、この「丁寧な説明」は必須である。さらに、回答率が極端に低くなるであろう。これらの点を考えれば、この調査結果の信頼性は極めて低いと言わざるを得ない。(ここでは調査被対象者が固定電話に限定されるなどの欠点は割愛する。)
 人による電話調査でも回答率が50%程度である。しかも、この回答率は底上げされている可能性が高い。つまり、調査会社は回答率の低い調査では信頼性が得られないと自覚しているから、底上げするのである。底上げは簡単である。例えば2000人調査で請け負った場合、実際の調査は2100人程度に実施する。有効な回答はすべて生かし、無効な回答数を加減するのである。例えば前記の2100人調査で有効な回答が1000票の場合は次のようになる。実際の回答率=1000/2100=47.6%、底上げ回答率=1000/2000=50%。
 回答結果さえも手を加えられている可能性がある。例えば継時的に調査される内閣支持率の数字を見てみればよい。新聞社やテレビ局の間でかなりの乖離があるのに、同じ新聞社やテレビ局の継時的な値は滑らかに変化している。すべての新聞社やテレビ局の調査対象者の母集団は同じはずである。そして有効サンプル数を考えると、継時的に滑らかに変化するような結果に疑問を持たなければならない。たとえば、スマホやタブレットPCの保有率の調査をしてみれば分かる。(新聞社などの間で乖離があるように、継時的な結果も凸凹するはずである。)
 調査を依頼する新聞社やテレビ局の皆様は上記のようなことをご存じだろうか。コストを切り詰めた「いい加減な調査」を用いるのが良いか、コストをかけて「信頼性の高い調査」を用いるのが良いか。新聞社やテレビ局の良識が問われている。

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