« 2013年5月 | トップページ | 2014年1月 »

2013年10月20日 (日)

日韓関係とヘイトスピーチ

 在日の人たちに対するヘイトスピーチを繰り返している在特会の会員を中心とする街宣活動を禁止する判決が出された。これについては評価している。ただし、幾つかの点で考えなければならないこともある。ここでは、在日の人たちと韓国政府・国民に対する「日本人としての意見」を記しておきたい。
 1つは在日の人たちに同化を求めるという点である。金明秀氏『同化を求めるのも差別』朝日新聞東京夕刊、2013年10月15日では、日本国内における日本人による「同化主義的レイシズムを「普通」のこととして温存する構造を打破しない限り」ヘイトスピーチの被害はなくならないといっている。程度の問題はあるが、在日の人たちがこの国で将来も生きていくためには日本人への同化も大切なことだと思う。もちろん、その上で、民族の誇りなども身につけていくことになる。
 民主主義の根幹は人々の間の話し合いにあると思う。その際、共通言語が必要となる。例えば、在日の人たちが日本語を話せなかったり、その言語の背後にある価値観・倫理観・文化などを保持していなかったと想像してみればよい。だから在日の人たちは日本語とともに「日本的なもの」への知識・理解も必要となる。
 もう1つは、韓国政府・国民の日本・日本人への対応である。慰安婦問題、新日鉄住金などの強制労働問題、対馬の仏像問題などへの韓国政府、特に裁判所の対応はどうだろうか。私の判断、あるいは国際的、あえて言えば西欧的価値観からの判断は韓国政府などの対応は「おかしい」と言わざるを得ないだろう。韓国民の対応はあえて記載しない。
 韓国政府、特に朴大統領は日本の韓国統治や慰安婦問題を「歴史問題、歴史認識」などと表現しているが、これもおかしいと思う。はっきりと「韓国統治」などと表現すべきである。これらに対しては、日本政府・国民は謝罪すべきであるし、相手が求めるのであればいつまでも謝罪すべきである。
 近世以降の韓国・朝鮮の正しい歴史を韓国の人々は学んでいるのであろうか。今年の夏ごろ、朝鮮戦争停戦60周年ということで、北では「戦勝パレード」が華々しく行われた。南では、これがひそやかに行われた。どうして、このような大きな差が生まれているのだろうか。これに関連して、私はD.ハルバースタム著、山田・山田訳『ザ・コールデスト・ウインター、朝鮮戦争』文芸春秋2009年10月(原著は2007年9月出版)を再読した。韓国の人たちで、この本を読んだ人は何人いるのだろうか。この本を読むと、上記の差も理解できる。さらに、日露戦争前後から朝鮮戦争停戦までの朝鮮・韓国の簡単な歴史が分かる。この本の中では、韓国人にとって誇らしいようなことはほとんど記載されていない。ついでに言うと、司馬遼太郎『坂の上の雲』の中では、日露戦争前の朝鮮半島は「無主の地」(実効支配している民族がいない状態)であったと表現している。(おそらく、韓国の小・中学校では『朝鮮戦争』で記載されている歴史は教えていないと思う。このような歴史を教えることは、韓国の児童・生徒に対するマイナスの影響が大きすぎると思う。だから、竹島問題も含む歪曲した歴史を教えているはずである。)
 韓国政府などが「日本政府・日本人は歴史認識が不足している(これは歴史に対する反省がないと同義で用いている)」と非難するやり方は卑劣で卑怯なものといえる。日本統治などを含むより大きい概念・用語を用いるべきではないのである。
 適切な例でないかもしれないが、簡単な例えで説明しよう。ある男性が過去に飲酒運転で事故を起こしたとする。これを「あいつは飲酒事故への反省がない」と非難すべきところを「あいつは過去への反省がない」と非難する。後者は、彼の過去のすべてを非難していることになる。この例でわかると思いますが、あえて言います。「歴史認識が不足している」ということは、日本政府・日本人の過去の歴史のすべてを暗に非難していることなのです。
 かつてのノムヒョン政権時代に、金大中前大統領は自己の日本国内での拉致問題に対して「日本政府の対応はおかしい」と日本政府のみを非難していました。それに対して福田氏(息子の方で、官房長官か総理を務めていた)は「なんで今更、ご本人が大統領の時に持ち出す問題では」と反論していました。韓国大統領として絶大な権限を持っていた時に、彼の指揮監督下にあるKCIAの過去の問題なんか簡単に調査できたはずである。そこに不義・不正などが見つかったのなら、まずKCIAを非難し、そのあとに日本政府を非難すべであった。これに関連して言うと、韓国のマスコミや識者などから元大統領の言動がおかしいという声が出たのだろうか。
 元大統領は韓国民の知性の代表のように言われている。この人にしても、「自国民は非難しないで、他国民のみを非難する」という姿勢であった。
 日本と韓国は未来永劫にわたり隣人であり続けなければならないのである。相互で友好関係を深め、高めていく努力が必要である。その際に、「相手に求めるものは少しにし、相手に与えるものは大きくする」という姿勢が相互に大切だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年5月 | トップページ | 2014年1月 »