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2014年1月20日 (月)

不払い年金の解明放棄

 社会保障審議会の特別委員会は政府の年金記録問題の対応を検証した報告書をまとめ、未解明記録の「完全な回復は不可能」とした。2112万件の完全な回復は不可能と結論付けている。(以上、1月18日朝日新聞、朝刊。)これにより、政府は不払い年金の解明を放棄する口実を得たことになる。同紙によると、野村修也・中央大法科大学院教授は政府の対応を批判して「記録の改ざんや紛失の場合は、効果がない。本当にやるべきことは被害者の救済だ。」と述べている。
 野村教授の発言に同感する人は多いと思う。政府の対応は、当時の社保庁職員の年金納付額の紙台帳への記載やコンピュータへの入力が完全無欠という前提に立っているのである。だから、紙台帳とコンピュータ記録の照合だけを解明の主眼にしていたのである。当時の職員の不作為や不実が多々あったことは明確であるのにかかわらずに、このような政府の対応はおかしいと思う。
 その上、年金記録の確認申し立てに対する第三者委員会の対応方針がおかしい。20年前、あるいは30年前の年金納付記録を申立人が保持していないことを主たる理由として「年金は納付していない」と判定しているのである。私の場合の詳細は過去の当ブログを参照してください。(2010年1月27日付けブログ。そこに寄せられた多くのコメントも、最近のものも含めて、参照してください。コメント欄からの検索が容易です。)。
 政府や厚労省の方針は「明確な納付にかかわる証拠がない限り、年金記録は回復させない」ということだと思う。統計的手法や他のデータ、例えば国民健康保険の加入記録などを利用すれば、年金が回復される人たちは多くなると思う。(私は会社を辞めて自営業になった時に、世田谷区役所で国保の加入手続きをした。私の記憶によれば、その際、区の担当者は国保と国民年金は同時加入に言っていた。だから、国保の記録は年金の記録に活用できる。)
 年金問題で政府や厚労省がやるべきことは「不払い年金の回復であって、紙とコンピュータの照合ではない」はずである。回復であって照合ではない。照合には莫大な税金を投じて、回復にはいかほどの税金を投じたのであろうか。政府などのやるべきことは、野村教授は「被害者の救済」と言っているが、私は「不払い年金の回復」といいたい。

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