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2016年5月12日 (木)

総労働生産性の向上策は簡単、その1

 最近ある論文(著者名略)Strategic Decomposition…, International Journal of Contemporary Economics and Administrative Sciences, Vol. 5, Issue 3-4, 2015を読んだ。これは無料で閲覧できる。一国の総労働生産性(以下、単に生産性)が比較的簡単に向上させることできると述べており、その方策も具体的な数値例を用いて述べている。私なりの解釈で面白いと感じた点を幾つか述べてみたい。なお、「生産性=産出額÷就業者数」とする。
◎ 経済白書や経済財政白書などで何度も目にした「(ア)低生産性の産業から高生産性の産業への就業者の移行が国の生産性を高める」、あるいは「(イ)サービス業(低生産性の代表)から他の産業への労働の移行が国の生産性を向上させる」などの記述が出鱈目であることもわかった。もちろん、これらの記述を読んだ当時はそうだろうと思っていた。前述の見方は、高名なエコノミストにもみられる。
◎ 学習理論との真逆の関係が面白かった。かなり以前に勉強した学習理論(マウスかラットを使用)で「学習効果はアメ÷ムチの比で決まる」と説明されていた。私は、それを鵜呑みにして、そのような論文を書いた。ところが上記論文の国の生産性向上策は「(ウ)アメ-ムチの差を重視する」ことになる。ただし、四則演算ができるように両者の単位を揃えなければならない。
 この場合のアメは個々の産業の産出額の割合(つまり個々の産出額の全国計に占めるシェア、%で示す、以下もこれに準ずる)で、ムチは個々の産業の就業者の割合である。簡単な計算によれば、アメ÷ムチの比は「個々の産業の生産性÷全国の生産性」となる。この比を重視すれば、上記の(ア)や(イ)が得られる。
 上記の(ウ)をなるほどと私が納得した理由は次の通り。簡単な例を挙げる。勝ち・負けが半々の無料のくじを想定する。
  A: 当たりなら10万円もらえ、ハズレなら100円支払う(アメ÷ムチは1000、アメ-ムチは約10万円)。
  B: 当たりなら1万円もらえ、ハズレなら1円支払う(アメ÷ムチは10000、アメ-ムチは約1万円)。
越後屋や私ならAを選ぶ。Bを選ぶ人はヘンな人。マウスやラットはBを選ぶのでは。くまモンはどうかな。

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