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2016年5月13日 (金)

総労働生産性の向上策は簡単、その2

 前回の続きです。前回と同様に、論文とは前記のものであり、労働生産性を単に生産性と呼びます。
◎ 生産性の集計式(つまり産業別の生産性から国の生産性を導くための式)は多数あります。代表的なものはOECDのマニュアルで示され、このように集計すべきであると述べられています。これらの集計式から得られる個々の産業毎の貢献度は、集計式毎に異なります。だから、貢献度とは何かという疑問が生まれます。論文では、この点にも言及しています。
◎ 著者のStrategic decomposition(以下、Stdeco)から得られる結果とより一般的な集計式から得られる結果を比較したテストも面白かった。総生産性(国全体の生産性)の増加を最大化させるためにどれか一つの産業を選びださなければならない問題の解答を前者と後者で比較するものである。Stdecoを用いると、簡単に回答が得られる。
◎ おそらく論文の最大の収穫はStdecoから得られる下記の総労働生産性向上策であろう。前回のアメとムチを使うと次のような簡単な回答が得られる。これを戦略と呼ぶ。
  ① ウエイト付アメ(ウエイト付産出シェア)-ムチ(就業者シェア)が正ならば、その産業の就業者を増加させよ。
  ② ウエイト付アメ(ウエイト付産出シェア)-ムチ(就業者シェア)が負ならば、その産業の就業者を減少させよ。
戦略はこの2つである。ここで用いるウエイトやシェアは事前情報である。
◎ 数学頭の席亭が最も興味を持った数式は付録で示されている「総生産性が個々の生産性のウエイト付積和で与えられている式」である。べき乗の計算の公式に反するような形になっているのが面白かった。

付記 最近になって、専門誌の検索が簡単だと分かりました。この論文も「IJCEAS」と入力して検索するとこのjournalが簡単に見つかります。そこをクリックして、そこで当該論文をクリックすればよい。無料で閲覧、ダウンロード(pdf)が可能です。
 蛇足ながら、専門誌は論文の閲覧すら有料のものが多い。国会図書館の電子ジャーナルでさえ、ここ数年の論文では閲覧できない専門誌が多い上、そもそもその電子ジャーナルに含まれていない専門誌もかなりある。比較的小さい某大学の電子ジャーナルは対象専門誌も多くかつ無料でダウンロード(複写)できます。国会図書館はこの点を解決してほしい(ついでに言えば、食堂の単価も高すぎる)。

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