2017年5月11日 (木)

靴ひも、ほどけない方法

 5月4日の朝日新聞朝刊に「靴ひもがほどける理由」が解明されたという記事があった。そして、次の研究が「ほどけにくい靴ひも」だという。
 ほどけにくい靴ひもは簡単である。私は、もう数年前から実践している。ゴムひもに取り換えればよい。対象の靴は通常の革靴やバスケットシューズのようなものを想定している。ゴムひもは、中がゴムで外が繊維でおおわれているものが良い。断面は平型と丸型がある。平型はパンツなどに使われているもので多くの人が目にしている白いものである。お勧めは丸型である。
 この丸型で手頃なものが「百円ショップ」で売られている。それは、多分、女子学生の髪を束ねるための需要を想定していると思う。それで、長さが60センチから70センチ程度あり、靴ひもにちょうど良い。色や太さがいくつもあり、それらが2本から6本程度で百円である。色や太さは靴に合わせて選べばよい。
 靴ひもとして用いるとき、留意点は結び方でそれも簡単である。私は「両蝶(羽が2つ)結び」で使用しているが、コツは結ぶ時だけ両方のゴムをややひっぱりながら結ぶ。これだけである。
 ついでに言うと、この靴ひもがほどけにくい理由は結ぶ際に利用したゴムの張力にある。両方のゴムが引っ張り合っている間は結びはほどけない、ほどけるのはゴムの張力がなくなった時である。
 百円の投資で既存のひもをゴムひもに取り換え、これが私のおすすめです。安価で単純な操作、それで豊かな気分なれます。ぜひ実践してみてください。

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2017年2月 7日 (火)

アパマンショップの不正請求

 アパマンショップ(以下、Aあるいはアパマンとも記す)はフランチャイズで多数の店舗を出店している。その特定店舗(1店だけなのかどうかは不明、後述も参照)がとんでもない不正を働いている。以下は、友人B氏からの情報に基づく。私はこれらの情報をすべて文書で確認している。該当物件は東京世田谷区の田園都市線の駅から徒歩7分程度のマンションX(貸主もXと呼ぶ)で、仲介不動産業者はアパマンショップY店である。あえてアパマンの名前を記すのは、誠実な仲介業者が存在していることを考慮するためと、A本部は傘下のY店を監督・指導する立場にあるからである。
 B氏は15年以上賃貸した物件Xを昨年11月に退去した。その際、敷金からの控除として幾つかの不正な項目の請求を受けた。それらには①畳表替え費用、②エアコン内部洗浄費用、③クリーニング費用が含まれている。Y店からのメールでの請求日は12月20日である(おそらくこの請求にはX氏も加担している)。それに対して、B氏は直ちに、すなわち同日に①と②は正常な使用であり、かつ借主に瑕疵はないから、これらを請求費用から除外すべきであり、この請求は公序良俗に反するとメールで送信した。ここで重要な事実は、B氏の返信に対してY店、あるいはX氏は何の反応もしなかったということである。これが何を語っているかは推察でき、後述する。
 そして1月になって、B氏は行政書士などからの助言で国土交通省『敷金返還のガイドライン(正式名称は同省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」再改定版、平成23年3月)』を読んで次のような記述を知る。すなわち物件の原状回復費用の内で、「経年変化や通常摩耗は貸主負担」と「次の賃借人募集のためのクリーニングなども貸主負担」ということ。このことをアパマンY店へ訴えたのが1月11日である。Y店は1月14日の訂正請求書でやっと上記の3項目を削除した。このように当然なすべき請求額訂正に約1か月を要している。
 X氏は長らくマンション賃貸経営に携わっており、Y店もアパマン傘下の業者であるから、このガイドラインや賃貸における一般常識・公序良俗を知らなかったはずがない。この両者はB氏がこれらに無知だから、「ふんだくってやろう」と悪巧みをしたと推察される。この不正請求はB氏だけではなく、おそらくかなりの転居者たちにも行ったはずである。それで得た不正な金額は両者で分け合ったのであろう。水戸黄門劇場では、越後屋Xから悪代官Yへ「お代官様、これはほんの…」、悪代官は「越後屋、おぬしもワルやのう」となる。(ここと次の段落は席亭の推察も含む。)
 さらにB氏は物件の天井からの水漏れによる被害や玄関鍵の瑕疵に伴う空き巣被害により多大の損害を被った。これらに対して、X氏はB氏に対して謝罪も損害賠償もしていない。これらに詳細については、マンション退去通知時、つまり10月21日にY店に書面で知らせている。これについてはY店、あるいはX氏はずっと無視していた。少しX氏について記述しておく。保有マンションには保険が掛けられていたはずである(賃借人でも、不注意な水漏れで階下への被害弁償のために保険に入っている)。だから水漏れ事故でX氏は保険金を手にしたはずである。その中には、借主への損害も含まれていたはずである。その金銭はどこへ、ネコババか。
 そこでB氏は1月20日アパマン本部に、アパマン経営理念と以下のことはどう結び付くのかと問い合わせた。④傘下の業者がガイドラインに反するような前記の不正を平然と行っていること、⑤不動産仲介業者は貸主と借主の利益の平衡を図るのが本分であること、など(ここは要約的な表現である)。その日の夕方になりY店・X氏からB氏に上記の3項目を除いた敷金の残額を23日に返還する旨のメールを送信し、その残額部分は返還された。ただし、損害賠償については、相変わらず無視していた。ただ、23日のメールで損害賠償額の計算根拠をB氏に示せとある。この根拠をB氏は直ちに送信した(この根拠と、10月にアパマンY店へ文書で提出した損害の内容なども、Y店からアパマン本部へ転送されているはずである)。前記のように10月に損害のことを文書で連絡しており、およそ3か月間Y店はこの件に触れていないのである。X氏はその物件に居住しており、これらの被害もB氏から連絡を受け、その詳細を知っているのである。2月6日現時点で、Y店・X氏の損害無視は続いている。なお、アパマン本部からもB氏へは何等の連絡もない。
 これらの途中経過からみると、アパマン本部の傘下の業者への監督・指導に対して疑問を感じる。以下は席亭の意見である。
 まず、国土交通省のガイドラインに対する取り組みである。このガイドラインの中で示されている公序良俗に反するような悪行・不正を傘下の業者が平然と行っていることに対して本部はどういう対応をしたのかである。Y店はB氏だけに悪行を行ったとは考えられない。それ以外の人にも行っていたかどうかをY店に調査したのであろうか。さらに傘下業者の集まりなどを通じて、その悪行がアパマンショップ全体に蔓延している可能性はないのだろうか。これらについて、何らかの形でB氏へ知らせるべきではないのか。不都合な真実が見つかり、B氏へ通知できないのであろうか。
 もう1つは仲介業者の本分、つまり貸主と借主の両者の利益の平衡を図るということを傘下業者は知らないのではないだろうか。この点を本部はどう考えているのだろうか。Y店のように、仲介業者は貸主だけの利益を守ることがアパマンショップの方針なのであろうか。それならB氏に「アパマンショップは借主の利益は無視しています」と通知すれば済む。

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2016年6月26日 (日)

Windows10へのアップデート中止完了

 Windows10へのアップデート中止がうまく終了しました。例のアップデートのロゴがコンピュータの下段に長らく張り付いていたうっとうしさからも解放されました。
 私の場合、富士通のWindows7最上位機種でしたが、富士通からは「10へのアップデートはしないでください、故障の原因になります」と連絡が来ていた。それが1か月ほど前に強制的なアップデートが始まりました。あわてて電源を切りました。電源を入れなおして、一時的にアップデートを遅らせる処置「自動的なアップデートはしない」を施しました。この処置は10へのアップデートだけと思っていたのですが、すべてのアップデートの中断になりました。この中断中に、おかしなメールがジャカスカ届いておりました。どうしたらいいか困っていたところ、消費者庁がMicrosoft社に「Windows10のアップデート」問題を適切に処理するよう働きかけてくれました? M社がAnswer deskを設置することになり、消費者庁がそこの電話番号(0120-54-2244)を公表しました。
 そこで、M社のこのdeskに電話しました。消費者庁の公表の日は電話がなかなかつながらないので、6月24日に再度電話しました。この時のM社の電話対応がおかしいのです。2回に1回程度は、○○は1を△△は2を・・・などと誘導され、最後には「お買い求めのメーカーに相談ください」あるいは「xyzのホーム頁を見よ」や「abcへ空メールを送信せよ」となり、電話での対応とはならない、つまり人からのanswerが得られない。2回に1回程度は「ただ今10人以上のお客が待っていますが、そのままお待ちください」となる。電話をスピーカーホンに切り替えてひたすら待っていました。もちろん、その間は両手が自由になりますので仕事をしていました。1時間以上待っていると、「ただ今9人のお客が待っています、そのままお待ちにください」と自動応答があった。それから10分から20分経過すると「ただ今8人…」と応答、さらに10分から20分すると「ただ今7人…」、以下6人、・・・、1人となり、私の順番となりました。この待ち人の減り方(9,8,7、・・・、3,2、1)から考えると、M社の応答者は1人か2人と推定されます。新聞報道では、この応答者はもっと多数であるはずです。
 それで、応答者の解答は「自動アップテートにしておくと、10も導入される。10を導入せず、その他のアップデートのためには10導入通知ロゴをまず削除しなければならない」でした。この削除は、ある所のそのためのファイルを開き実行することにより可能でした(このやり方は教えてくれます)。実行後に再起動すると、例のロゴが消えていました。デスクへの電話から、この作業の終了までに3時間以上を要しました。
 その後は、コンピュータを自動アップデートに変更し、これまで滞っていた多くのファイルのアップテートを実施しました。この作業は1時間程度を要しました。
 M社は10アップデートロゴ送信者に、このロゴを削除する方法を送信すればこの問題の大半は解決するはずです。どうして、この送信をしないのかな。10を普及させることがM社に莫大な利益をもたらすのだろうか。

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2016年6月13日 (月)

ウィルスメール2

 前回のウィルスメールの続きです。前回は「銀行取引」関連の事項をテーマとするウィルスメールについて述べましたが、「銀行取引」もかなり時間が経過したことからだと思いますが、5月初旬ごろまでにその種のメールは送信されなくなりました。それから2週間くらいは、別のテーマのウィルスメールがジャカスカ送信されてきました。(現在は、これらもありません。)
 別のテーマのウィルスメールはたちが悪い、あるいは巧妙だと思い、その内容を報告します。以下を、外国からインターネットで何かを購入した人、それも複数のところから幾つかの品物を購入した人は心に留め置いてください。
 メールの内容は、①商品の購入有難うございました、②次のように送付しました(下記の記号のみ記載)、③疑問があれば下記をクリックしてください、という構成です。一番の特徴は商品名がどこにも記載されていないことです。それに代えて、②で記号、例えばABS356、GHF784のように記載されています。そして、「これらの詳細は添付メールを参照」として、メールが添付されています。この種のメールは①、②、③の内容とも比較的簡潔で、かつ類似の内容になっています。言うまでもありませんが、添付メールを開封したり、記載アドレスをクリックしたら、例の「身代金」ウィルスにあなたのパソコンが感染する確率が大となります。
 幾つも海外に商品を発注し、そのうちの幾つかが届いていない人を想定してみます。そうすると、このメールの威力、特に②のそれが理解できると思います。おそらく、このような状況を想定し、悪人はメールを送信しているものと思います。そして、これに騙された人が多いから、上記の内容になっているものと思います。
 不幸にしてというか、私は海外からインターネットで商品を購入することはありません。そもそも海外の業者を信用していないので。幸いにして、海外からネットで多数の商品を購入する人や、これから購入しようとする人たちは、それから生まれる上記のような不幸に留意してください。

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2016年5月17日 (火)

外国専門誌への論文とウィルスメール

 外国の専門誌に論文が掲載されると、著者のメールアドレスが付記されるようになって久しい。このメールアドレスなどを用いてウィルスメールが多数送付されている実態を述べる。
 姓が田中や鈴木などで、名が「あきら、ただし、のぼる」などのように英語表記で同姓同名が多い人は危険度が低いと思われますので、以下は安心して読んでください。それ以外の人は警告文として読んでください。
① 一定の質以上の外国専門誌に論文を発表したことがある人で、そこにメールアドレスが付記されている場合、そして最近年程危ない。試みに英語表記の姓名にてネット上で検索してみてください。自分の論文がなかなか現れないようならやや安全です。私の場合、2年ほど以前に掲載されており、しかもネット上で簡単に私の論文に接続でき、メールアドレスも取得できる。ここでの要点は「英語表記の姓名からメールアドレスが簡単に取得できる」ことです。
② 最近、外国の銀行口座に送金(bank transfer)した人。この場合、国内手続きは大変煩雑の上、手数料が高いのに加えて、送金内容や送金者氏名が外部に抜き取られているケースが多いようです。それが国内銀行から、外国銀行から、あるいはその経路からかは不明です。私の場合は今年の2月中旬にメガバンクを利用しています。この送金書類にはメールアドレスは一切記載されていません。ここでの要点は「英語表記の姓名と取引内容が比較的簡単に外部に漏れる」ことです。
③ ネット上でキャシュカードを用いて外国と何らかの決済をした。これは①と②の要点を揃えていますので、以下を参照してください。

 私への危険度の高いウイルスメールは2月中旬以降、これまでに150通以上も受信しています。これらは、プロバイダとの契約により、ウィルスが削除された上にそのような付記があります。これ以外に、「ウィルスを完全に削除てきなかったので、プロバイダで削除しました」という表示を一瞬だけ画面に表示するプロバイダからのメールが多数来ている。多分、200通以上あると思います。
 ウィルスメールの内容の要点は「銀行口座の残高が不足していますので」、「相手先口座が不明瞭」、「決済後の口座残高など」です。このように、ウィルスメールの中に②に関連することが書かれています。(③の時には、キャシュカードに関連することが記載されていました)。
 上記のように、①だけの場合にはメールには「受信者に心当たりがある内容」を盛り込めない。このため、後述の名簿では①だけの情報は価値が低い。
 私の場合、前述のように2月中旬に②が発生し、それからジャカスカとウィルスメールを受信しました。②ではアドレスを記載していないので「おかしい」と思っていました。そんな時に2年ほど前のアメリカBLSでのデータ取得時のことを思い出しました。そこでは、割り込みでの利用者調査があり、私の論文が表れました。この論文は、前記よりもかなり以前のものでアドレスは記載されていません。それで、3月頃ネットで私の姓名で検索し、前述の論文を見つけました。この検索を丹念にやっていくと、アドレスのない論文にもいきつきました。
 私の推察では、名簿業者みたいな人がいて、まず②を得る。そして、①からアドレスを取得する。それらから、①と②を掲載した名簿を作り、それを他者に販売する。特定の個人がさまざまな名前を使い分けてウィルスメールを送信しているケースも多そうです。おなじ内容で送信者だけが異なるメールもかなりある。
 このウィルスの内容は当然ながら分かりません。最近急速に普及している例の極悪だと想像しています。外国の専門誌に論文を発表している人やこれからという人は注意してください。

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2010年10月17日 (日)

おかしいぞ、スーパーのつり銭言葉

 スーパーなどで買い物をし、つり銭を返却される時に店員が発する言葉がおかしい。最近のほとんどのスーパーではつり銭機能付きのPOSが導入され、支払い時に発生するつり銭がPOSから自動的に出てくる。その際、店員は自分でつり銭を確認せずに、お客に『(つり銭を)お確かめください』といいながらつり銭を渡している。私が利用するスーパーは3店舗であるが、そこのほとんどの店員がそういう応対をしている。
 これはおかしい。本来は店員がやるべき確認作業をせずにお客にやらせている。例えば、私がある買い物をして999円のおつりを受け取る場合は次のようになる。POSから999円のつり銭が硬貨で、100円玉、10円玉、1円玉が入り混じってゴシャゴシャと出てくる(簡単のため500円玉などがないものとする)。店員はそのゴシャゴシャをそのまま私に『お確かめください』といいながら手渡す。その場で私にそれを確認せよと店員が迫るのである。私の後ろに何人かのお客が並んでいる場合、その確認は難しいであろう。
 作業時間の節約を図るために、こんな馬鹿なことが普及しているのであろう。POSだってエラーをすることがあるのである。店員がまずつり銭を確認して、それもお客が目で確認できるような状態で、例えば手のひらの上で整然と硬貨を並べて確認して、その後にそのつり銭をお客に渡しながら『お確かめください』というのが筋であろう。もっとも1円や10円の硬貨1枚のつり銭の場合のみ、これを店員が確認して、その後に『お確かめください』とお客に渡している。この場合、お客は戸惑う。
 まさかスーパーの経営者は「店員がPOSよりもはるかにバカだ」と認識しているわけではなかろう。そうなら、「私の店舗の店員はつり銭を正確に計算できません。そのかわり、POSが正確につり銭を計算しています。」という大きな張り紙を店内に掲示すればよい。

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2010年8月10日 (火)

サンデル先生、答えてください・・・ハーバード白熱教室を読む

 マイケル・サンデル著、鬼沢訳『これから正義の話をしよう』早川書房2010年を読んだ。読み始めてすぐに、どうしてハーバード大学の講義の教室が白熱するのかが分かった。「パーキンソンの法則」のような「○○の法則」で「議論が白熱する程度はその内容の質に反比例する」というものがある。この法則を知っていれば、『なるほどね』となる。つまり、議論が活発化する、あるいは白熱化するのは、そこで話されている議題が身近なものや難しくないものであるからである。ただし、そうだからといって、サンデル先生の講義を低く評価するのは間違いである。正義や公正というものを、身近な題材を例として考える意義はある。ロールズの『正議論』やノージックの『アナーキー・国家・ユートピア』、あるいはアリストテレスやカントの著作などを知っている者には、サンデルの書・講義は「完全に虚を突かれた」思いになるであろう。私は、正義や公正をサンデル先生のあげられる例示を基に考えることの必要性を感じた。
 この内容の紹介や評価は政治学や政治哲学の専門家に任せて、サンデル先生が答えていない2つのジレンマについて、私が答えよう。以下で取り上げるジレンマは、若干変更しているところもある。
◎ 暴走する電車の運転手
 ブレーキがきかなくなり時速100キロメートルで暴走する電車の運転手の例である。運転手には次のことが分かっているものとする。そのまま直進すると、5人の作業員をはね、全員が即死になる。そこには右側にそれる待避線があり、そちらにハンドルを切れば1人の作業員をはね、即死する。正義や公正の観点から見ると、運転手は直進するか、右側にハンドルを切るかのどちらを選択すべきであろうか。
◎ 時限爆弾を仕掛けたテロリスト
 5時間後に爆発する時限爆弾を人々の密集しているターミナル駅に仕掛けたテロリストを捕まえた当局の例である。この爆弾を小型原爆(こんなものはないと思う)とし、それが爆発すれば1万人以上の人が即死し、その爆発地点から半径5キロメートル以内の地域が以後の5年間が立ち入り禁止となる。このテロリストが5歳程度の1人娘を連れていたとする。テロリストは死を覚悟しているから、拷問をしても小型原爆の仕掛けた場所を白状しないものとする。しかし、この少女を拷問にかければテロリストはその場所を白状するものとする。当然ながら、白状すれば小型原爆の被害は差し止められる。何も知らないこの少女を拷問にかけることは正義、あるいは公正にかなう行為なのかどうか。

 以上の2つの例示、あるいはそれ以外の例示についてもサンデル先生は自分の考える正義・公正の観点から答えていない。上記に対する私の答えは次の通りである。
 まず「運転手」の場合である。私には、どちらの選択が正義・公正なのか分からない。しかし、私が運転手ならばそのまま直進し5人を即死させる道を選ぶであろう。この場合、私は何もしないことになる。これに反して、右にハンドルを切るという行為は自分の意志が働いていることになる。だから、1人を即死させることは自分の行為の結果となる。もし1人を即死させれば無期懲役となり、2人以上を即死させれば死刑となる制度があり、それを私が知っていたとしても、私は死刑を受容するであろう。
 次に「テロリスト」の場合である。私は自分の信念(正義や公正と言い換えてもいい)からテロリストの娘を拷問にかけない方を選択する。その結果としての小型原爆の被害を受容するであろう。もちろん被害を最小とするために、必要な手はすべて打つ。私が当局の責任者だとして、その方針に非難が集中して責任を問われても、それらを感受するであろう。
 面白いことに、上の2つの例示はサンデル書では示されていない「最小不幸社会」を理念とする政治哲学では簡単に解決できる。不幸を最小にするのであるから、「運転手」の例では1人の即死を選択し、「テロリスト」の例では少女を拷問にかけることになる。(サンデルの書では、最大幸福を論じており、この幸福の加算性に問題ありと指摘している。当然ながら、不幸の加算性にも問題がある。)
 最小不幸社会について補記しておく。菅総理大臣が、その就任に当たって「最小不幸社会」をめざすと述べている。何年か前に、民主党がマニフェスト選挙を始めた時にも、このマニフェストに最小不幸社会が掲載されていた。当時の民主党の代表は菅氏だったと思う。私の推察では、菅総理はこの最小不幸社会というものの出所を知らないようである。そこで、サンデル書でも欠落しているので、以下にそれを簡単に述べておく。
 私の知る限り、この言葉、あるいは最大多数の最大幸福の追求よりも多数の人の不幸を減じようという考え方はカール・ポパー著、内田・小河原訳『開かれた社会とその敵』1980年未来社(原著は1950年、翻訳は他にもある)の第9章の本文と脚注に記載されている。私の記憶している理解では、次のようになる。豊かな社会では、人々の幸福は多元化しているので、人々の幸福に対する意見は集約しない。これに反して、何が不幸かということに対しては人々の意見は一致しやすい(これは調査してみる価値がある)。民主制の下での政治は、人々の集約された要求の実現をめざすものとすれば「不幸の最小化」となる。
 ホパーの言葉を引用すれば、「人を幸福にするような制度的手段は存在しないのだから、その要求はおそらく幸福にして欲しいという要求であるよりも、不幸が避けられる場合には不幸にしないで欲しいという要求であろう。・・・それゆえピースミール工学者は、社会の最大の究極的善を探してその獲得のために闘うよりも、社会の最大で最も緊急な悪を探してそれと戦うという方法を採用するであろう。」となる。ここでのピースミール工学者は理想的な政治家とみなしてもよい。なおホパーは、「快楽や幸福」と「苦痛や不幸」は同じ次元ではないと考えている。つまり、後者は前者のマイナスでは把握できないと考えている。

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2010年1月27日 (水)

年金記録確認第三者委員会の業務・結論は誰が評価するのか

 私は国民年金の記録漏れについて第三者委員会(以下、委員会)へ申し立てをし、このほどその結論が送付されてきた。その通知書には、「これまでにお伺いした申し立ての内容、収集した資料・情報を基に総合的に判断いたしましたが、・・・年金記録の訂正が必要とまでは言えないとの結論に至りました」とある。この通知書の内容や判断方法は適正とはいえない。学校の成績評価で言えば不可である。以下、私の評価を述べておきたい。(私は、今回の経験から、委員会の構成、業務の進め方などを評価する必要があると思う。そして、委員会をもっとよりよい方向にもつていくことが必要であると思う。)
 まず委員会の基本的スタンスのあり方である。年金記録については、社会保険庁があまりにも多くの誤りを犯したということを考えれば、「申立人に不利と思われる事項はなるべく小さめに秤量する」、その一方で「申立人に有利と思われる事項はなるべく大きめに秤量する」という姿勢でなければならないであろう。この点が委員会では欠けている。通知書には申立人から見て不利と思われる事項のみ記載されており、有利と思われる事項は一切記載されていない。あるいは、委員会へ提出されている時点で有利と思われる事項は削除されているのかもしれない。上記の総合的判断とは、不利な点とともに有利な点も含めて判断したということではないのか。
 私に有利と思われる事項は私の記憶で、それらは間接的ではあるが、「少なくとも間違っているとは判断できない」ものである。これについては割愛する。
 次に不利と思われる事項についてのべる。私の場合は三つあげられている。
① 国民年金を納付したことを示す関連資料(領収書、家計簿、確定申告書など)がない。これをまずあげている。20年やそれ以前のこのような資料を保管している人がいると想定すること自体がおかしいと思う。(誰かの情報整理術では、使わない資料から捨てるべしという原則があった。) 資料整理の下手な人や特異な人だけがそんな古い資料を保管しているのである。委員会の先生方はみんなそんな古い資料も保管しているのであろう。そうすると、先生方はみんな資料整理が下手か、特異な人となり、委員の人選に問題がある。
 これは申立人の不利な情報ではない。このような資料がないことが正常なのである。だから、こんな事項を通知書の最初に記載すること自体が正常な感覚とはいえない。
② 上記とも関連するが、保険料の納付時期、納付回数、納付額等の記憶が曖昧である。これが次にあげられている。私の場合は、過去にさかのぼって何回かに分けて納付しているが、これらを明確に覚えていない。なお、納付額なんかは別途の資料を調べれば分かるが、それは公正とはいえないのでそうしなかった。かなり古い時期の上、納付した金額も大きくはなかったのだから、記憶に残っていない。もっとも、委員会の先生方に比べると私の記憶力が劣っているのかもしれないが。
 これも申立人の不利な情報とはいえないであろう。
③ 国民年金手帳の記号番号が払いだされた時点からみると、私の申し出の納付期間がおかしいということ。この点のみが私の不利な点である。
 担当者に聞くと、「記号番号はだいたい国民年金に加入し、年金を納付した順につけられている」という。私の場合、記号番号の払い出し時は昭和52年11月であり、私の記録上の納付は51年4月からである。(私の申し立ての年金記録の欠落は51年3月以前である。) 
 しかし、この判断はあまりにも安易に行われている。つまり、記号番号から推察される年金加入時期が正しいものと判断しているのである。
 当該時期の社保庁職員はコンピュータ入力などの事務処理上に多くの誤りを起こしていたということを委員会は忘れている。上記のように、記号番号の時期と記録上の納付開始時期の間には1年半以上の開きがあるのである。それにもかかわらずに、記号番号が年金加入・納付順に付けられ、そこから分かる時期が正しいとみなすことが出来るのであろうか。もっと正確に言うと、記号番号の時期が有用な情報といえるのであろうか。担当者に問い合わせると、上記の記号番号の時期は何人かの人たちの値から推察した値であるという。それに、私とは質的に異なる人たちからの推察であるという。統計的にいうと次の誤りがある。ひとつはサンプル数が極めて少ないということ。もうひとつは質的に異なるサンプルを用いていること。委員会の先生方はこんな単純な誤りを平気で見過ごしているのである。これは下記のこととも関連するが、委員会は統計に無知な先生方だけによって構成されているのではないだろうか。
 この点はデータが十分にあるのであるから、統計的検定を行うべきことである。例えば、私の年金手帳の記号番号の前後を合わせて1,000人程度の人たちを選び出し、その人たちの納付開始時期の分布を計算するのである。その結果から、判断するための情報を得るのである。たとえば、結果が昭和45年以降から昭和55年までの各月ごとに薄く均一に分布していれば、記号番号の払い出し時期は年金納付開始時期となんらの関係もないと結論付けられるであろう。このような結果が得られる可能性もある。つまり年金手帳の記号番号はなんらの有用な情報ではないと言う結論が得られるかもしれないのである。
 もう一度言う。年金番号と年金納付開始時期とを関連付けるデータは十分あるのである。それらを用いて統計的検定を行い、年金番号は有用な情報かどうか判断するのである。もし有用な情報なら、それを用いて年金番号から得られる年金納付開始時期の95%信頼区間を得るのである。この信頼区間が統計的にみた年金納付開始時期となる。

 年金記録の訂正申し立てを拒否するということは極めて重要な判断をするということである。出来るだけ客観的に判断するという姿勢も必要となる。そうであるならば、統計的検定という手法も多用すべきである。(新聞報道などを読んでいて感じることは、年金記録訂正などの作業では、もっとコンピュータと統計的手法を多用すべきであるということである。)

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2009年11月14日 (土)

ギャンブル好きは喫煙率が高いのか

 厚生労働省の『国民健康・栄養調査』で2008年の成人喫煙率が発表された。それによると男性平均は36.8%、女性平均は9.1%である。一方、同年のJT調査のそれらは39.5%、12.9%である。このJT調査の60歳以上の男女の値はそれぞれ27.0%、6.0%となる。これらの値は、非喫煙者の私の実感からは極めて低い数値である。
 私はパチンコ関連会社の株式を保有していることもあり、それと気分転換をかねて、時たまホールに出かけバチンコを打っている。パチンコを打っている時には両隣の喫煙者の煙が気になることもあり、それとなくホールの客の喫煙率を観察している。その結果からいうと、男性の喫煙率は90%程度であり、女性のそれは70%以上となる。最近のホールは比較的高齢の男性や女性が多くなっており、60歳程度以上に限定しても私の観察値は前記の値をやや下回る程度で、男性は90%弱、女性は60%以上で、上記のJTの値は極めて低いと思う。(私の観察は東京区部とその周辺に限られており、その他の地域のそれらは不明である。)
 この乖離の理由は2つ考えられる。ひとつは調査方法である。『あなたはタバコを吸いますか』と尋ねられた場合、実際の喫煙者は正確に答えない傾向があると考えられる。特に女性はその傾向が強いと思われる。(東京駅近辺の喫茶店に立ち寄ると、喫煙のためだけに立ち寄ったと思われる女性客がかなりいる。あるいは駅の近くのタバコ自動販売機の側で、喫煙している女性もかなり見かける。これらから見ても、上記の2つの女性の調査値は低いように思われる。)
 もうひとつの考えられる理由は、パチンコ好きの人は、男女ともに喫煙率が極めて高いということである。本当にそうなのであろうか。少なくとも、上記の2つの調査の数値がかなり正確であるとみなすと、このように考えられる。
 私は競馬場、競輪場、場外馬券売場などの状況は知らないから、すべてのギャンブル好きの人の喫煙率が高いかどうかは分からない。この関係は調べてみる価値がありそうである。厚生労働省やJTは、上記の調査時に「ギャンブル好きがどうか」の設問も追加してみてはどうか。それにこれらの担当者はパチンコホールへ出かけて喫煙率を観察してみてはどうか。

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2009年8月15日 (土)

安近短から万近短博へ

 レジャーの主流は安近短(あんきんたん)、つまり「費用は安くて、場所は近くて、期間は短い」といわれて久しい。しかし、近年はパチンコホールが高齢者を中心に賑わっているので、レジャーの主流は万近短博(まんきんたんばく)に変化したと捉えられよう。
 つまり、パチンコで遊ぶ場合は次のようになる。費用は1万円前後、時には、それ以上かかる。利用するホールは比較的近場にある。もちろん遊ぶ期間はきわめて短い、普通は○○時間以内となる。それに、ささやかな賭博である。
 2年ほど前の警察庁の遊技機規則改正により、パチスロで遊ぶ客は徐々に少なくなっている。それに応じて、ホールのパチスロの設置台数も減少している。これに逆比例するように、パチンコの方は設置台数も増加傾向を示し、客数も増えている。特に、大都市やその近郊ではホールの大型化に伴いパチンコ設置台数の増加が顕著である。私の観察するところ、パチンコ機もより高機能化し、それが多くのファンをひきつけているようである。(なお『レジャー白書』で示されているパチンコファンの減少傾向は誤りである。警察庁のパチンコ関係の統計やダイコク電機の『DK-SIS白書』なども、上記のような傾向を示している。)
 ほとんど毎日のようにホールへ出かけてパチンコで遊んでいる人たちが以前よりも増えているようである。特に高齢者、それも年金生活者と見られる人たちが夫婦で遊んでいる姿をよく見かける。考えてみると、高齢者にとって手軽で魅力的なレジャーは少ないようである。以前なら、高齢者は家で朝から晩までテレビを見続けていた。テレビが高齢者の「お守り」をしていたようなものであった。近年は、そのテレビ番組の内容がAHO一色になっているから、高齢者は別の楽しみを探さねばならない。その楽しみの一つがパチンコといえよう。(AHO総理が『高齢者は働くしか才能がない。80歳から遊びを覚えても遅い』と発言していたが、総理もパチンコホールへ出かけてみればよい。)
 ともあれ当面の万近短博のレジャーの王様はパチンコといえよう。

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